ピーターズバーグチェーンってどんなステッチ?
ピーターズバーグチェーンというステッチをご存知でしょうか。
やわらかく、しなやかな編み地が特徴で様々な形状をつくるのに適している汎用性の高いステッチ「ピーターズバーグチェーン」をご紹介します。
〜目次〜
1、ピーターズバーグチェーンとは
2、ピーターズバーグチェーンの構造
3、ピーターズバーグチェーン作品の形状
4、ピーターズバーグチェーンの取り入れ方
5、nagomi*styleで発売中のピーターズバーグチェーンキット
1:ピーターズバーグチェーンとは
スクエアステッチの上下に飾りをつけながら斜めに編み進むステッチです。
ロシア生まれのステッチで私がこのステッチを初めて知った時は、ロシアの都市の名前の「サンペテルブルグチェーン」という名前で教えてもらいました。「St.petersburg chain」と綴りますが、今は英語読みで「ピーターズバーグチェーン」というステッチ名が一般的です。
ロシア発祥とか由来があるステッチには他にも「ロシアンペヨーテ」「ロシアンスパイラル」などがありますが、柄や編み地が斜めであることや柔らかい仕上がりになるのが特徴です。(この「斜め」という共通点はどうしてなんでしょうね???)
ピーターズバーグチェーンも柔らかさを活かしてカーブをつけたり、目の増減をしないでモチーフをつくったりと様々に応用がきく便利なステッチです。
▶︎こちらの記事も「ロシアンスパイラルってどんなステッチ?」
2:ピーターズバーグチェーンの構造
1目の構造はスクエアステッチの上下に飾りがついています。
まずはスクエアステッチを編み、左側の目の上部に上の飾りをつけ、下がってから右側の目へ移動するときに下の飾りをつけることを繰り返します。
これだけでは目と目がつながらないので、次の目を作ったら、ひとつ前の目のスクエアステッチ部分を1〜2個拾ってつなげます。
このため、1目めのスクエアステッチを編む前に作り目のような役割のビーズを1〜2個通してからはじめることが一般的です。
早く編み進みたいなら
スクエアステッチ部分のビーズの数を増やしたり、竹ビーズなどの穴の長いビーズを使うと、長さを出すことができ、早く編み上がります。
3:ピーターズバーグチェーン作品の形状
増やす方向や、飾り部分を共有するかしないか、共有の仕方でピーターズバーグチェーンの編み地を太くしたり、V字にしたりすることができます。
下の飾りを共有して作るダブルのピーターズバーグチェーン(デザイン押谷初美先生)、楽習フォーラムビーズアートステッチ上級教授課程からキットがでていました。
ピーターズバーグチェーンのリーフモチーフは編み初めの糸を残して編み始めるシングルのV字で作られています。
ロシアンリーフという手法はよく見るとピーターズバーグチェーンのリーフとは違う糸回しです。
ついついリーフモチーフをみるとどちらで編まれているかじっと観察しちゃいます。
(左)ピーターズバーグチェーン (右)ロシアン(ペヨーテ)リーフ
4:ピーターズバーグチェーンの取り入れ方
柔軟性を活かして折ったり、曲げたりして使うのに適しています。
長さのあるラリエッタなどはピーターズバーグチェーンの編み地なら結ぶこともできて使いやすいです。
大きさの調整が難しいフレーミングやカボションも、ピーターズバーグなら編み地の伸縮性を活かして微調整ができ適していますね。楽習フォーラムから発売されていたキット「プチトロア」左上がピーターズバーグチェーンによるフレーミングです。
5:nagomi*styleで発売中のピーターズバーグチェーンキット
2021年5月発売 新商品「ピーターズバーグチェーンのラリエッタ」
こちらはマルチホールビーズでスクエアステッチを置き換えつくっており、上下の飾りをつけずに斜めに編みます。
斜めに編み進むしなやかなピーターズバーグチェーン、この記事が皆様の作品制作のお手伝いができましたら幸いです。
お読みいただきありがとうございました。