20年越しのレシピ〜ハートビート〜

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2025年TOHOWワークショップの新作「ハートビート」のご紹介!
完成までのエピソード、この作品に込めた思いなどを綴ります。

作品紹介

「窪み」と「尖り」

ハートの特徴的な形状のための上の部分の「窪み」と下の部分の「尖り」の表現が本当に難儀でした。
この作品は輪編みで編み進む方向は毎段同じ反時計回りですが、その途中で増し目と減目をすることで編み地を膨らませたり、へこませたりします。
それをどの目でやるか、どの段でどんなふうにビーズの数を調整するかなどの微調整が本当に大変で、ボツになった編み地は数知れず。
この記事を書いている2025年7月現在は編んでは解きの試行錯誤をアナログでやりましたが、今に生成AIがレシピを提案してくれる時代も近いんでしょうね。
nagomi*styleの中でも生成AIを活用しているデザイナーが増えてきました。まだまだ現実的なステッチには落とし込めていない設計図やレシピを提示してきますが、自分が現役のうちに効率化する日も近いなと感じます。今回の作業で無縁と思っていたビーズワークの現場にも生成AI活用の必要性を感じました。

ライトアングルウィーブ

ライトアングル(right angle)は直角という意味で、基本形はビーズ4個を通して輪にします。
その輪(1目)はビーズが直角に配置される四角形となるためライトアングルにweaveウィーブ(編む)ステッチという名前がついています。

いわゆる「テグス編み」「8の字編み」「交差編み」と同じ見た目の編み地ができますが、ライトアングルウィーブは一筆書きのように編み進みますので糸回しはテグスの場合とは全く異なります。
ビーズを拾う個数により自由自在に方向転換できるので立体を制作するときにも向いています

1目ごとに糸の出る方向が変わり、また段を重ねていく場合ビーズを拾う向きが、進行方向だったり、その逆になったりと、迷子になりやすく苦手という方も多いステッチです。
できることの多く、可能性無限大なステッチにも関わらず苦手意識を持たれる方も多く、認定講座などでもラスボス的位置付けで後半に紹介されることが多いです。

今回はそのライトアングルウィーブの苦手意識を払ってもらいたいという思いを込めて
❶1目ごとにビーズの色を変えて、「この色の時は糸が上にでる」などチェックしやすくした
❷段ごとにビーズの色がマッチするように配色したので拾うビーズがわかりやすい
など作るときに迷わないような工夫をしました。

チェーンのような編み地

チェーンステッチと名前をつけたくなるようなこの編み地、糸回し的にはライトアングルウィーブなんです。
ライトアングルウィーブ+スパイクで表現したチェーンパーツ、チェーンがないっ!という時でも手編みできちゃいます。ぜひ覚えてください。

モチーフが留め具

前で着け外しやすいのもポイント!
長さの調整で表情も色々と変えられます。

20年越し

今回のオープンハートモチーフの原点はこちらでした。

2004年制作ですので20年前のデザインです。
ハート部分は先にご紹介した見た目は同じ編み地だが糸回しが違うという「テグス編み」で作られています。
ビーズステッチを学ぶ方が増え、このハートを糸と針で作りたいというリクエストをいただくようになり「ライトアングルウィーブ」で作り直し、2012年にレシピ化したのです。
でもその時はレシピの技術が未熟すぎてレッスン付きでないと伝わらないようなレシピしか描けませんでした。
そこで今回は「図を見ながら最後まで完成する、わかりやすいレシピにする!」と意を決して臨みました。

今回レシピを制作してくれたのは、レシピ部1期生のshantimintyさん。
表記ルールをレシピ部で学び完璧に理解しているので、やり取りもとてもスムーズでした。

ビーズレシピを描いたことがある方ならわかると思いますが、不規則なビーズ配置の図は、フリーハンドで描かざるを得ない部分が多く、レシピデザイナーの力量が試されます。今回のハートの「窪み」と「尖り」もまさにその難所。

私の手描きの図を元に清書するのは、きっと骨の折れる作業だったと思いますが、shantimintyさんは「やってみます」と力強く応えてくださり、驚くほど忠実に表現してくれました。本当に感激です。

初稿はなんと13ページにものぼりましたが、図を整理したり、無駄を削ったりしながら、最終的には6ページに収めることができました。

今回のこの意欲作、ぜひ多くの方に見ていただきたい──。
そんな思いが自然と湧き上がってくる、胸が熱くなる校正作業でした。

動画付き

レシピだけで作れる内容ですが今回も手元動画をご用意しています。
ビーズキットご購入の方にはURLをお知らせしますのでポイントポイントで参照してくださいませ。

先行発売は7/31からスタート

7/31と/8/1に開催されるシードビーズ協会Wワークショップの教材となっています。
こちらのセミナーの発売を皮切りに、カルチャーセンター、あとりえ和みビーズ教室で8/2以降にご受講いただけます。
(セミナー受講生様には2個目以降は20%offでご購入いただけます。教室主宰の先生方には教材としてもご利用いただけます)

nagomi*styleオンラインショップでも8/2以降にアップしますのでぜひ手に取っていただけましたら嬉しいです。
(特にレシピをご覧いただきたい!)

どうぞよろしくお願いします。

 

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お読みいただき大変ありがとうございました。
これからもよろしくお願いします。
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